足利市ではたらく社長のブログ

地域ポータルサイト「ハウディーズ」の運営を中心としたWebによるPR&マーケティング会社「ハウディーズ株式会社」の社長であり、TOEIC990点(満点)の語学力を生かし、大学受験を始め英語教育指導を行う有限会社アカデメイアの取締役・講師としても奮闘中 - ローカルな地域社会から日本・世界を見つめ、教育からマーケティング・経済から政治に至る様々な問題を、徒然なるままに考える、江黒俊介のブログ - という欲張りな目標で書いている日記です♪

ブランド構築

Think Different -究極の広告戦略


1997年のAppleのこの広告こそ「ブランド構築」の究極かもしれません:



日本語訳は:
クレージーな人たちがいる。

反逆者、厄介者と呼ばれる人たち。

四角い穴に丸い杭を打ち込むように物事をまるで違う目で見る人たち。

彼らは規則を嫌う。

彼らは現状を肯定しない。

彼らの言葉に心をうたれる人がいる。

反対する人も、賞賛する人も、けなす人もいる。

しかし、彼らを無視することは、誰にも出来ない。

なぜなら、彼らは物事を変えたからだ。

彼らは人間を前進させた。

彼らはクレージーと言われるが、私たちは彼らを天才だと思う。

自分が世界を変えられると、本気で信じる人たちこそが本当に世界を変えているのだから...。』

瀕死の状況であったアップルに復帰した創業者のスティーブ・ジョブズが打ち出したアップル再生の第一打。それはアップルが「世界を変える企業である」という明確なメッセージでした。

この翌年、ジョブズが起死回生の一打として発表したのがiMac。

iMac



その後iPod、iPhoneと続く「世界を変えた」アップルの製品群については言うまでもありません。

消費者に対するPRはもちろん、社内の意識の統一、業界内外への決意表明等、あらゆる面で強く一本化された「ブランド」の再定義。

このThink Differentキャンペーンが今のアップルを生み出した原動力である、と言っても過言ではないでしょう。

この広告によってアップルは同業他社の全てから自らを切り離し、単なるコンピューターメーカーから「世界を変える会社」というポジションを獲得し、ファンの帰属意識を高めると同時に、アップル以外の会社全てを「遅れた」会社という位置づけを行ったわけですよね。

古くはIBM、マイクロソフトといった具合にアップルのマーケティングは「圧倒的強者」を意図的に「古く、遅れた既特権階級」というイメージに置き換えることで成功していますね。

「正義の味方」作戦、とでもいいましょうか(笑)

ただ、この作戦、アップルだからできる裏付けが伴っているからこそ機能する戦略であることがポイントですが・・

広告の世界における芸術作品のようなこのキャンペーン。時代を超えた説得力と斬新さがありますね。

これは意図的に歴史上の人物のイメージをつかったために残る普遍性でしょう。

非常に良くできた一連の広告キャンペーンの戦略だと思います。

「究極」といって差し支えないでしょう。


ブランドは広告ではつくれない - 広告 vs. PR - マーケティング担当必携の書


マーケティングの良書は国内よりも海外の本に多い気がしますが、本日六本木オフィスへの往復の電車内で読んだこの本も実に面白かったです:

ブランドは広告でつくれない 広告vsPR
アル・ライズ ローラ・ライズ 共同PR株式会社
翔泳社


「広告を信頼する人などいない」、「広告は終わっている」という、広告屋さんが認めたくない事実や、「クリエイティブ」なクリエイターによる「クリエイティブな作品」が話題を呼んでも全く売上に貢献していないという「広告代理店が絶対に認めたくない」ポイントを小気味よく指摘し、結論としてはブランド構築のためにはPR、パブリシティが重要であると論じています。

私が特に同意したのは:

「広告がブランドを構築する事はない」
「広告はブランドを防御するためのものである」
「ブランドを構築するのはPRである」
「広告に信頼性はもはやない」

という全編に共通した上記のポイントですね。

ブランド構築のプロセスに必要なのはまずはPRであり、戦略の設定であって、単に無意味にかつ無意味な広告を発信する事ではない、ということ。

広告は、きちんとしたマーケティング戦略に基づいたPRを実施した後にはじめてその効果を発揮するわけです。

Macbook Airをコマーシャルで初めて見た人はいないでしょう。Windows Vistaについて新聞広告で知った人もいないと思います。メディアが大々的に取り上げた後に流れるコマーシャルこそ効果的なわけです。

マイクロソフトやアップルはもちろん、更に純粋にPRでのマーケティングで成功したスタバにせよボディショップにせよ、最近は広告より以上にPRを上手に使う企業が躍進しています。そこに学ぶところは企業のサイズに関係なく、大いにありますよね。

ブランド構築とPR、広告の相関関係についてこれほどよくまとまった本は私は読んだことがなかったので、非常に有意義な今日の六本木往復でした。

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